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 地域ロードは関東にもあり、設定上は他地域にもあるのではないだろうか。
 中国地域の場合、完全に県対抗の様相である。中国5県、すなわち広島、岡山、鳥取、山口、そして島根の5県で争われる。
 全国区のJツアーより選手層は格段に薄く、優勝争いは当然として、だが勝つのは難しい。
 自分と同じレベルかそれ以上の選手が二人いれば、それだけで優勝は阻まれてしまうものだ。

 今回、優勝争いをすると思われるのは、マッサ・フォーカスの伊藤翔吾(広島)とシマノドリンキングの白石慎吾(山口)。
 広島県は、中国地域の中ではクラブチームが以前から盛んで走れる人が多いが、山口県もエスペランススタージュが地元に根付いたチームとして近年活発であり、選手が強化されているのがわかる。
 鳥取県は、同じ湘南ベルマーレの清水さんがいるが、今回は栂池ヒルクライムに出場のため不在。湘南ベルマーレコムレイドより、津村さんが鳥取代表で走る。

 天気予報どおり、豪雨でも霧雨でもなく、やみそうにない落ち着いたペースの雨が降りしきる中、レースはスタート。

 序盤、広島県の選手が飛び出して最大で1分50秒のアドバンテージを持った。
 当然広島の選手は引く必要がなく、そこをエースの白石のために組織だって引き始めたのが山口県だった。

 途中、白石がパンクして遅れる。広島のコースは、雨が降るとパンクの発生率が異常に高くなるのだ。

 しめしめ・・・ではなくて、山口県のアシストに伝える。フェアプレーというより、よくレースを一緒に走る仲間であるから当然だし、今回は実利もある。
 山口県がエースを欠いて結束力がなくなると、集団を牽引してもらえなくなるかもしれない。島根県にアシストはいないのだ。(競技人口と平均的な競技力の差による)
 白石の復帰を待つように、山口県は牽引を中断。

 再び追走を開始して、残り4周でタイム差が1分20秒。山口が牽引して30秒詰めたので、更に一周経過を見ようと思った。
 残り3周に入った時点で1分15秒程度。差がつまらなくなったのは、降り続ける雨の下りで安全運転なのもあるだろう。

 とはいえ、前は一人だ。
 ホームストレートで、一人での追走を決断しアタック。自分から動くのには、かなりリスクを感じていた。まだ広島、山口もアシストを残しているし、僕自身の足は、なぜかすでに中盤でやや重く、ホテルのベッドが合わなかったのか、右の腰が張っている。しかし、山口県だけの牽引は手詰まり感があり、そろそろアクションが必要だろう。

 集団との差をほんの一時開く事に成功したが、ここまでで数を減らした集団が追いついてくる。
 そのまま一人で行くくらい本気だったので、追いつかれたときにはがっかりしたが、集団に火がついて逃げ続けた広島の選手を吸収することに成功したので、このアクションは一つの成果としてよしとする。
 消耗した山口勢も数を減らした。

 ところで、一緒に逃げるなら白石か伊藤翔吾だと考えていた。3人だと、三つ巴で処理が大変。二人なら、相手を見ておけばよく、道先を考えるといきなり無理なアタックは掛からない。
 なおかつ、山口の白石となら、広島のアシストを二人で削ることができ、翔吾とならば、広島のアシストは追ってこず、登りの強力な白石を追い詰めることができる。

 まあ、考えることは同じなようで、ともかく他のライバル二人に対して一人にはなりたくないから、アタックに対して相互にチェックが厳しい。

 途中のどこかで、白石が「どうしたい?」と僕の意図を聞いてくる場面もあった。まだ残り4、5周目だったと思う。山口のアシストは健在だったが、すでに足を使っていて、広島はたっぷり温存していた場面だ。
「広島のアシストを減らしたい」
 と言うと、納得したようだった。

 問題は自分自身で、残り2周からもう足がいっぱい。ここまで足はよく回り、よく踏めていた。なのになぜか足のなかで筋肉が重い。右足だけだ。腰のバランスのせいかと思い、左で踏んで修正していたら、見事に両足が均等につりそう。

 勝てる気がしない、と思ったが、なぜだかすぐに弱気は消えた。

 残り3周目で動いてしまっていたので、残り2周目は力を貯めようと考えるが、揺さぶりがかかってなかなか休めない。アタックの応酬で一気に集団は3~7名。ペースの上げ下げで、追いついたり離れたりの選手がいる。

 残り1周。4名の先頭グループがホームストレートから下りに突入。広島2、山口1、島根1。
 勝負の三段坂から、それ以前のこぶからも揺さぶりはかかり、ついに三人。僕は先頭に出るのは極力拒否、防戦一方だ。案の定、三つ巴はきつい。
 やはり一番の激戦は展望台の坂。

 白石が仕掛け、翔吾が反応する。二人のダンシングに対して、強力な加速はできないが、僕も立ち上がって追撃する。
 白石がちらりと後ろを見て、もう一段加速! 良い奴だが、こういうときは痛いところを突いてくる。
 太ももの表と裏がつりそうだ。もしかして、攣ってるのが反発しあって足は動いているんじゃなかろうか。

 なんとか攻撃を凌いで下りに入る。当然回復するまで先頭交代には加われない。あとはスプリントだ。
 下りで仕掛けるやつがいれば別だが。

 下りきって、ホームストレートに入る手前のヘアピン二つのつなぎで番手の入れ替えをする牽制。
 ホームストレートに入る登りの出口で伊藤翔吾が仕掛けた。一瞬白石と僕が見合って翔吾と3車身開く。

 意を決して僕が番手で飛びついた。翔吾が必死に先行するのを、シッティングで全開。ホームストレートは長い。
 なんとか翔吾をかわして、しかしまだ距離を残し、後ろには白石がいる。
 残りを、翔吾をかわした勢いのまま全力でスプリントしながら、下を向き、ハンドルの左右に白石の車輪が迫っていないかヒヤヒヤしながら確認したが、先にゴールに飛び込むことができた。

 あ、手を挙げなきゃー。と言う感じでガッツポーズ。以前は自然に両手が上がったが、疲弊したのか両手がハンドルから離れてくれなかったので、片手で。
 落ち着いてから両手を挙げたのだが、いま写真がないのでそのうち。

 本当に余裕が無くて、来週と再来週がとても心配だ。


1位 山根理史・島根(湘南ベルマーレ)
2位 白石慎吾・山口(シマノドリンキング)
3位 伊藤翔吾・広島(MASSA FOCUS)

5位に、同県でかつての優勝者寺本さんが粘ってくれたので、団体順位も島根県が優勝となった。


と、たまには自分主観の長いレポートを書いて見た。



 
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